カードローン会社ごとで支払い方法は異なりますが、クレジットカードのようにボーナス払いにすることはできるのでしょうか。もしもできるのであれば、より気軽にカードローンを利用することができます。
そこで今回は、カードローンのボーナス払いに関する情報を取り上げながら、クレジットカードのボーナス払いとの違い、一般的なカードローンの返済方法など、カードローンの返済方法に関する情報について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
ボーナス払いとは、クレジットカードの返済方法の1つです。住宅ローンなどの金融商品でもボーナス払いはありますが、クレジットカードのボーナス払いとは内容が異なります。
具体的にいうと、クレジットカードのボーナス払いは、一括、もしくは2回に分けてボーナス時期(夏と冬)に支払う方法で、ボーナス時期以外は一切支払いをしなくても問題ありません。
しかし、住宅ローンなどの金融商品の場合、毎月の支払いがある他、ボーナス時期に上乗せして返済しなければならないのです。
この項で取り上げたいボーナス払いは、クレジットカードのボーナス払いですので、住宅ローンなどのボーナス払いの概要は割愛します。
先述したとおり、クレジットカードには『一括』、もしくは『2回払い』のボーナス払いと呼ばれる返済方法が設けられていますが、元々は日本のバブルの時代に登場した返済方法です。
当時、日本の景気は大変良かったため、ボーナスを支給していた企業が多く存在しました。そのため、毎月返済するのではなく、ボーナス時期にまとめて支払うことができる『ボーナス払い』が登場したのです。
現在の日本は不景気ですので、ボーナスを支給している企業は大変珍しくなりましたが、今でもクレジットカードのボーナス払いは存在しています。
また正社員だけに限らず、派遣社員や契約社員、アルバイト勤務の方でも、ボーナス払いを利用することは可能です。
ちなみに、『一括払い』と『2回払い』の違いは、支払いの回数だけではありません。一括払いを選択すると、利息が掛らないのです。一方、2回払いの場合は、利息が掛ります。
そうはいっても、毎月分割で返済するよりも利息は掛りませんので、ボーナス払いは大変お得な返済方法なのです。
ボーナス時期といっても、企業によって若干時期は異なりますが、クレジットカード会社によって『取扱時期』と『支払い時期』は決まっています。
一例として、イオンフィナンシャルサービスとセディナの情報を以下の図にまとめました。参考にしてください。
クレジットカード会社 | 取扱時期 | 支払い日 | 補足 | |
---|---|---|---|---|
イオンフィナンシャル サービス |
夏 | 11/21から6/20 | 7/2、8/2、9/2のいずれか | 利用金額1万円以上から1年中扱っている。 手数料は不要。 |
冬 | 6/21から11/20 | 1/2 | ||
セディナ | 夏 | 3/11から7/10 | 8月 | 夏、冬いずれかのボーナス月に全額支払う。 手数料は不要。 |
冬 | 8/11から12/10 | 翌年1月 |
クレジットカード会社 | 取扱時期 | 支払い日 | 補足 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
イオンフィナンシャル サービス |
夏 | 1年中 | 1/2、8/2 | 夏、冬のボーナスに分けて支払う。利用金額5万円以上から利用可能。手数料は3% |
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冬 | |||||||
セディナ | 夏 | 3/11から7/10 | 8月と翌年1月 | 夏、冬のボーナスの2回に分けて支払う。 手数料は2回目の支払いの際に発生する。 ※加盟店によって扱いが異なる。なお、手数料実質年利は6.1%~19.5%。 |
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冬 | 8/11から12/10 | 翌年1月と8月 |
クレジットカードは、ボーナス払いが可能なことは分かりました。一方、カードローンはボーナス払いをすることができるのでしょうか。
結論からいいますと、カードローンはボーナス一括払いや2回払いに対応していません。これは、カードローンサービスの性質が深く関係しています。
クレジットカードとは異なり、カードローンの場合は利用限度額の範囲内で自由に借入が可能です。
そのため、借入している残高に金利をかけて、日割りで計算をしてから利息を出しています。ようするに、リボルビング払いと呼ばれる支払い方法が採用されているのです。
カードローン会社によって対応は異なりますが、上乗せして多めに返済する他、ボーナスの時期に一括して返済することはできます。
たとえば、アコムやプロミス、SMBCモビット、三菱UFJ銀行カードローンバンクイックでは、上乗せ返済や一括返済に対応しています。
つまるところ、カードローンの場合は毎月返済をすることが条件となるため、クレジットカードのようなボーナス払いはどうしてもできないのです。
カードローンの返済方法は、大きく分けると4つあります。それぞれの詳細について以下にまとめましたので、参考にしてください。
返済する元本に対して利息がかかります。カードローンでは、最もメジャーな支払い方法といっても良いかもしれません。
リボルビング払いは、更に『残高スライドリボルビング方式』、『定額リボルビング方式』、『定率リボルビング方式』と分かれています。
別名、借入金額スライドリボルビング方式ともいいます。一般的なカードローンの返済方法は、残高スライドリボルビング方式といっても過言ではありません。借入している残高に合わせて、毎月最低返済額が変わります。
借入をしている残高が多いときは返済額も多くなりますが、借入残高が減少すると返済額も少なくなる仕組みです。つまり、借入額が少額であれば、そこまで負担にはなりません。
繰上げ返済をせず最低返済額のみ返済していると、利息が増えるばかりで元本が減少しないのがネックです。
予め返済額を固定して、月々返済していく方法です。厳密にいうと、更に『元利定額リボルビング方式』、『元金定額リボルビング方式』に分かれます。まず、『元利定額リボルビング方式』ですが、こちらは返済額が一定金額となる方式です。
毎月同じ金額を払うとはいえ、内訳をみると利息と元金の金額が毎月変わっていることが分かります。
『元金定額リボルビング方式』は、元金のみ固定する方式です。利息は借入残高によって変動し、元金に上乗せして毎月支払います。そのため、月々の支払金額が変わるのです。
『元金定率リボルビング方式』と、『元利定率リボルビング方式』に分かれます。まず『元金定率リボルビング方式』ですが、借入金額の分割返済分(元金の部分)と、借入残高の利息(利用残高と日数に応じた利息分)を毎月最低でも返済すれば良いという方式です。
一方、『元利定率リボルビング方式』ですが、借入残高に対してカードローン会社が決めた定率をかけたものを、最低返済金額とする方式です。大手のカードローン会社では、アコムが元利定率リボルビング方式です。
カードローン会社では、ほとんど扱っていない返済方法です。たとえば、10万円を借入し、10回に分割して毎月1万円ずつ返済するとします。(分かりやすいように利息分は加算していません)
返済期間中、新たに2万円借入して4回の分割払いにした場合、翌月の返済金額は15,000円となってしまうのです。
シンプルで分かりやすい返済方法ではありますが、利息は借入した際に計算して分割されますので、繰り返し借入をすると月々の返済額が大きくなってしまいます。
一言でいうと、元金と利息を均等に返済する方法のことを指しています。つまり、金利が固定されている場合は、完済まで同じ金額を返済することになるのです。
返済が進むにつれて、利息の割合が小さくなるため返済は楽になります。しかし返済が始まったばかりの頃は、元本の返済割合が小さいため、総返済額は高くなるのです。住宅ローンや奨学金は、元利均等払いを採用しているケースが目立ちます。
元金のみ均等に返済する返済方式です。つまり、元金は毎月一定額となるのですが、ここに利息を上乗せして月々返済していきます。
総返済額を抑えることはできるものの、借入残高によって利息が変動するため、おのずと毎月の返済額も変動するのです。
どちらかというと、借入や返済を繰り返すカードローンには向かない返済方法だといえます。
この項では、カードローン以外の個人ローン返済方法についてご紹介していきます。
代表的な返済方法を以下の表にまとめました。まずはこちらをご覧ください。
ローンの種類 | 特徴 | 返済方法 |
---|---|---|
マイカーローン | 自動車はオートバイなどの購入、運転免許証の取得、車検、修理をする際に利用できるローンです。金融機関によっては、オートローンや自動車ローンと呼ぶこともあります。 |
・元利均等返済 ・ボーナス併用返済 ・アドオン返済 |
フリーローン | 旅行、結婚などで必要となる資金を借りることができるローンです。基本的に利用用途の制限はありません。 |
・元利均等返済 ・残高スライドリボルビング返済 ・ボーナス併用返済 |
住宅ローン | マンション、一戸建ての建築、リフォーム、建売住宅を購入する際に利用することが出来るローンです。また別の住宅ローンに借り換えすることもできます。 |
・元利均等返済 ・元金均等返済 ・ボーナス併用返済 |
教育ローン | お子さんの進学など、教育資金に利用することができるローンです。国が行っている公的ローンと、銀行などが行っている民間のローンに分かれています。 |
・元利均等返済 ・元金均等返済 |
元利金等返済、元金均等返済は、残高スライドリボルビング方式は、すでに前項で解説したため解説は割愛します。
またボーナス併用払いについては、元利均等返済と組み合わせて返済するパータンが一般的です。
ただし、ボーナス払いをする際に元金の50%にあたる金額までしか返済できないなど、金融機関によって利用条件を設けていることがあります。
なお、『アドオン返済』についてはまだ解説していないため、以下にまとめました。参考にしてください。
借入時から返済が終わるまで、借入額を元本とみなす返済方法です。利息は、この元本を基に計算します。ようするに、元本と利息の総額を返済回数で割って、その金額を毎月支払っていくのです。
たとえば100万円借入して、アドオン率が10%、返済回数は20回だったとします。すると利息は10万円です。
100万円(元本)+ 10万円(利息)÷ 20回 = 55,000円
計算した結果、返済額は55,000円となりました。つまり、20回に亘って55,000円を毎月返済していきます。
このように、アドオン返済は分かりやすいことから、返済計画を立てやすいというメリットはありますが、金融機関では現在採用していません。
というのも、返済をして元本が減少しても利息は減らない為、実質金利が高くなってしまうからです。
また割賦販売法が改正されてからは実質年利を表示するよう義務化され、アドオン金利の表示は法律で禁止されました。
消費者金融系のカードローンは、一般的にリボ払いとなっています。中でも、『残高スライドリボルビング払い』を採用しているケースがほとんどです。ただしアコムは『定率リボルビング方式』を採用しています。
『残高スライドリボルビング払い』は、借入残高に合わせて最低返済額が毎月変わりますが、アコムの場合はそうではありません。借入残高に対して、アコムが決めた定率をかけたものが、最低返済金額となるのです。
一方、銀行系のカードローンは、『残高スライドリボルビング払い』、『残高スライド元利定額』、『元加(がんか)方式』を採用しているケースが目立ちます。
ちなみに、セブン銀行カードローンでは『元加(がんか)方式』、三井住友カードゴールドローンでは『毎月元金定額返済』を採用していますが、内容は全く異なるものです。
まず『元加(がんか)方式』ですが、別名『元利均等返済』と呼ばれることもあります。月々の返済額は変動しないものの、元金と利息の割合が返済のたびに変わるのです。また返済が進むにつれて、元金の割合が増えていきます。
『毎月元金定額返済』ですが、元金は固定されているものの、利息の部分が毎回変動する返済方法です。当然、月々の返済額は変わります。
そもそも、なぜ多くのカードローン会社では、リボルビング払いを採用しているのでしょうか。それは、リボルビング払いを採用した方が儲かるからです。
リボルビング払いの場合、返済途中に繰り返し借入をしても、月々返済する金額は変わりません。その結果、返済期間が延びて多くの利息を支払うことになります。
いうまでもなく、返済期間が延びると支払い総額が高くなるため、カードローン会社としては利益に繋がりやすい返済方法なのです。
カードローンで、ボーナスの一括払いや2回払いの代わりとなる返済方法はあるのでしょうか。結論からいいますと、ボーナス一括払い、ボーナス2回払いに代わる方法はあります。
厳密にいうと、ボーナス払いとは内容が異なりますが、『ある程度の金額をまとめて支払う』という意味では同じです。以下にまとめましたので、参考にしてください。
特に期日を決めず、好きなタイミングで返済することができる方法です。返済する金額に関しても、事前に決めることはないため、自分の好きな金額を返済することができます。
ただしクレジットカードのボーナス払いのように、年に1回、もしくは年に2回だけ支払いをするのではなく、月々の返済も行わなければなりません。また、随時返済を利用する月も、月々の返済に上乗せして返済することになります。
カードローン会社によっては、随時返済を扱っていないケースがある他、扱っていたとしてもいくつかの条件が設けられているものです。
たとえば、『利息分以上の金額を返済する必要がある』、『事前に申告をする必要がある』などカードローン会社によって異なります。
随時返済として支払った金額は、すべて元金に充てられるため、返済総額を一気に減らすことが可能です。
無利息期間を設けているのは、主に消費者金融系のカードローンです。ほとんどのカードローン会社では、30日間無利息を採用しています。無利息期間内であれば、何度借入と返済をしても利息が一切掛らないというサービスです。
契約のタイミングから30日間となるのか、もしくは借入したタイミングから30日間となるかはカードローン会社によって異なります。
たとえばアコムやアイフルでは、契約翌日から30日間無利息となっていますし、プロミスは初回借入の翌日から30日間無利息です。
無利息期間は、返済の途中で利用できるサービスではないため、その点がボーナス払いとは異なります。もしも初回の支払い時に、まとまった金額を返済することができる場合は、有効活用したいものです。
多くのカードローン会社では、全額返済に対応しています。元金と利息をまとめて一括で返済することができるのです。
日によって返済総額は変動するため、事前にカードローン会社へ連絡をして、返済総額を確認する必要があります。
返済総額を確認したら、その日のうちに全額返済しましょう。翌日に持ち越してしまうと、返済総額が変わってしまいます。
クレジットカードのボーナス払いと、前項でご紹介した返済方法には、どのような違いがあるのでしょうか。以下にまとめましたので、参考にしてください。
クレジットカードのボーナス払いは、ボーナス時期に1回もしくは2回のみ返済をすればよいのですが、随時返済は月々の返済に上乗せして返済をしなければなりません。
言い方を換えるとカードローンの場合は、ボーナス併用で返済する『クレジットカードのボーナス併用払い』に似ているともいえます。
クレジットカードのボーナス払いの場合、『○日間無利息』と呼ばれるサービスは提供していません。ただし無利息サービスではありませんが、一括払いで返済するときのみ、手数料や利息が掛らないケースは存在します。
ちなみにカードローンは、無利息期間を活用して一括払いにしない限り利息がかかります。
またボーナス一括払いとは異なり、月々返済をしなければなりません。無利息期間以降は、通常通り利息が発生する点もボーナス払いとは違うのです。
最も期間が長い無利息期間を設けているのは、『新生銀行カードローンレイク』のみとなっています。5万円までの借入であれば、180日間無利息です。少額融資を希望している方で、180日以内に完済できる場合は有効活用しましょう。
カードローンの場合、全額返済するとはいえ必ず利息も支払う必要があります。先述したとおり、無利息期間内に全額返済をするときは元金のみ返済しますが、それ以外は必ず利息がかかるのです。
一方、クレジットカードのボーナス一括の場合、利息や手数料は掛りません。ボーナス2回払いは、多くのクレジットカード会社で手数料や利息が掛ることになっていますが、せいぜい1.5%から3%程度ですので大きな負担とはならないものです。
クレジットカードの加盟店によっては、ボーナス2回払いでも手数料や利息が掛らないケースもあるため、カードローンの全額返済よりもお得になることが多々あります。