一般的に、カードローンは資金使途が制限されていないイメージがあります。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。また、資金使途が審査に何らかの影響を与えるのであれば、事前に把握した上で対策を講じておきたいものです。
そこで今回は、カードローンの資金使途について取り上げながら、審査時に好印象を与える使い道、悪い印象を与える使い道、資金使途ランキングなど、詳しくご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
結論からいいますと、カードローンの使い道は比較的自由となっています。なぜ『比較的』なのかというと、カードローン会社によって若干制限が設けられているケースがあるからです。
実際に各カードローン会社の公式WEBサイトを確認してみると、必ず資金使途について案内があります。カードローン申込み前に、必ず目を通しておくようにしましょう。
カードローンと対象的なのは、目的別ローンです。お金の使い道があらかじめ決まっているため、その他の用途で利用することができません。また、申込み時に見積書やパンフレットを提出したり、借入後に領収書を必ず提出することになります。
その他の用途使ったことがバレてしまうと、最悪の場合、一括返済が求められるため注意したいものです。
参考までに、大手カードローン会社の資金使途を以下の表にまとめてみました。参考にしてください。まずは以下の表をご覧ください。
名称 | 資金使途 | |
---|---|---|
銀行 カードローン |
三菱UFJ銀行 | 事業性資金以外であれば原則自由 |
三井住友銀行 | ||
みずほ銀行 | ||
住信SBIネット銀行 | ||
新生銀行レイク | ||
消費者金融系 | アコム | 自由 |
アイフル | 自由 |
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プロミス | 生計費に限る 個人事業主は生計費および事業費 |
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SMBCモビット | 自由 |
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信販系 | 三井住友カード | 自由 |
オリコ | 自由 |
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ジャックス | 事業性資金、他社債務弁済以外であれば自由 |
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オリックス・クレジット | 自由 |
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クレディセゾン | 事業性資金以外であれば原則自由 |
多くの銀行系カードローンでは、借り入れたお金を事業資金として利用することができません。また、プロミス、ジャックス、クレディセゾンでも、事業資金は不可となっています。
その他のカードローン会社は資金使途が自由であるため、事業資金として利用しても問題はないようです。このように、銀行系、消費者金融系・信販系で資金使途は似ているものの、最終的には各カードローン会社の判断に委ねられていることが分かります。
ちなみに、プロミスのところで『生計費』とありますが、簡単にいうと生活費のことを指しています。光熱費や家賃は勿論のこと、旅行費、ショピングなど生活全般でかかる費用として利用することが可能です。
ギャンブルで使用するために使ってはいけないと明記されているケースもありますが、上記でご紹介した金融機関では、特にそのような案内はありませんでした。ただし、審査時にギャンブルで利用する旨を申告すると、審査落ちとなるため注意しましょう。
実際のところ、使い道自由なローンは複数あるため、必ずしも事業性資金として利用できないわけではありません。
しかし前項で触れたとおり、多くの銀行系カードローンや一部の消費者金融系・信販系のカードローンでは、事業性資金として利用することを禁止しています。
なぜ、事業性資金として利用ができないことがあるのでしょうか。結論から言いますと、カードローンで借りるお金は消費資金であり、事業資金とは異なるものだからです。
事業性資金として融資を受ける際は、保証人や担保を用意することがほとんどとなっています。貸し倒れが発生し回収困難となった場合の、リスクヘッジのために差し出すといったイメージとなります。
一方、カードローンの場合、審査時は個人の収入の安定性や返済能力を中心にチェックをしています。カードローンは無担保の金融商品であるため、個人の信用を担保に融資を行っているからです。
このことからも、事業性資金の審査とは全く内容が異なることが分かります。つまり、事業性資金として利用できないカードローンは、貸し倒れのリスクを事前に回避しているともいえるのです。
ちなみに、事業性資金として利用できるカードローンの場合、元々金利が高かったり、審査の結果、担保や保証人を用意することになるケースが多々あります。
通常のカードローン審査と比較すると、審査が厳しくなると考えておいた方が無難です。
結論から先にいいますと、利用目的が原因で、カードローンの審査に落ちることは多々あります。具体的に、どのような原因で落ちてしまうものなのでしょうか。
この項では、カードローンの資金使途について、詳しくみていくことにしましょう。以下にまとめましたので、参考にしてください。
【審査時に好印象を与える資金使途】
・スキルアップ(資格取得など)
・冠婚葬祭
・レジャー
・習い事
・車の修理や車検費用
・子供の教育資金
・結婚資金
・結婚祝い金
・家具、家電の購入
一般的には、上記のような資金使途であれば、審査時に好印象を与えるといわれています。ようするに、『どのようなことにお金を使うのか』が明確化されていればよいということです。
しかし、1つ気をつけたいことがあります。それは、金融機関が提供している『目的ローン』以外の理由が好ましいということです。
たとえば住信SBIネット銀行では、以下の目的ローンを扱っています。
・教育ローン
・自動車ローン
・リフォームローン
・多目的ローン
・フリーローン
上記の目的ローンは、カードローンよりも低金利で利用できるケースがほとんどです。そのため、資金使途が明確であり、上記の目的ローンを活用できる場合は、よほど急いでお金を用意する必要がない限り、カードローンを利用するメリットはありません。
そのため、あくまでも一例となりますが、突発的に告知された友人や身内の結婚祝い金、家具や家電の購入であれば、目的ローンに該当しないケースがあることから、カードローンの資金使途としてベストだといえます。
とはいえ、個人の属性や個人信用情報に問題が見当たらず、先述した資金使途に当てはまるようであれば、『借入目的として十分な理由』だと判断されるものです。
一時的にお金が必要となるケースは誰にでも起こりうることですので、多重債務に陥っていない限り資金使途に関してそこまで深く追求されることはありません。
【審査時に悪い印象を与える資金使途】
・投資
・医療費
・ギャンブル
・引っ越し費用
・借金の返済
審査時に悪い印象を与える資金使途ですが、主に上記の内容となります。最もボロが出やすいのは医療費です。
医療費が必要となった理由によっては、『しばらく働けないのではないか?』、『収入が途絶えて貸し倒れとなるのでは?』と判断されるケースがあるため、余程の事情がない限り資金使途として申告することは避けた方が良いといえます。
また、国が行っている高額医療制度を活用すれば、カードローンを利用せずに済むことが多々あるものです。病院で詳しく説明されるケースが多いため、カードローン審査時に追及されることがあります。
それから、引っ越し費用に関しては、個人の信用情報次第で悪い印象を与えることがあるようです。すでに複数の金融機関から借入があり、多重債務に陥っている場合は、審査落ちするケースが多いといえます。
ただし、勤務先の都合で急な引越しが決まり、会社から引っ越し手当が一切支給されないなどといった正当な理由があれば、必ずしも悪い印象を与えるとは限りません。
引っ越し資金として利用できる目的ローンは多数存在するため、その点を踏まえた上でカードローンへ申込みをしましょう。
カードローンの資金使途は、実際のところそこまで厳しくチェックされることはありません。前項で解説したとおり、多くのカードローン会社では資金使途を『自由』としています。
例外なくカードローンの審査時に使い道を申告することになるものの、資金使途が限定されている目的ローンのように、厳しく追及されることはないのです。
その点を踏まえた上で、実際にカードローンから借入をしている方の資金使途を、ランキング形式でご紹介していくことにします。まずは以下の図をご覧ください。
資金需要者等の借入に対する意識や行動に関する調査結果(複数回答443名)
平成28年度版 日本貸金業協会WEBサイトより引用
トップ10は上記の表の通りとなりました。ランキング形式で記載した内容を以下にまとめましたので、こちらも参考にしてください。
1位:趣味・娯楽(レジャー、旅行費を含む)
2位:食費
3位:家賃支払い(住宅ローン返済を含む)
4位:自動車購入費(車検整備費用等を含む)
5位:衣料費
6位:医療費
7位:納税・納付等の支払い
8位:ギャンブルで必要となった費用
9位:授業料・保育料・給食費等の学校関連費用
10位:通信費(電話料金やインターネット利用料など)
上記の内容から分かるのは、緊急性の高い資金使途はほとんど含まれていないということです。ほぼ生活費の範囲内で収まるものばかりとなっています。また、貯蓄があれば本来対応できる費用と言い換えることもできそうです。
なお、納税・納付等の支払い、ギャンブルで必要となった費用に関しては、申込み時にそのまま申告をすると審査に通過しない可能性が高い資金使途だといえます。
前項で、資金使途の申告の重要性について解説しましたが、上記のグラフのとおり実際の資金使途は『特別お金に困っているわけではないケース』と、『できるだけ早く借入したいケース』にはっきりと分かれた結果となりました。
カードローンを有効活用するためには、使い道を明確化することや、利用法を把握しておくことがポイントとなります。まず使い道に関してですが、突発的な家族での外出や冠婚葬祭、急な会社の飲み会がベストです。
逆に家計をやりくりするための生活費、お金がない中での娯楽費として利用することは、できるだけ避けるようにしましょう。なぜなら、借金が増えるだけだからです。借りたお金は必ず返済していかなければなりません。
お金が不足している中でお金を借りると、更に借金を重ねるきっかけを作ってしまいます。つまるところ、『突発的な出費』であり『短期返済が可能』な場合にカードローンを利用するのが賢い活用法なのです。
更に、カードローンの利用法として抑えておきたいポイントを3つ以下にまとめました。参考にしてください。
カードローン会社によって返済方式は異なるものの、そのほとんどが『残高リボルビング払い』となっています。簡単にいうと、『元金が減少しづらい返済方式』が採用されているのです。
ただし、短期間で返済することができれば、元金の減り具合が気になることはありません。そのため、できれば給料日に完済する癖をつけておきましょう。
なお、完済を癖づけておくと、増枠しやすくなるというメリットもあります。なぜなら、カードローン会社側で、『計画的に利用している』と判断されることにつながるからです。
カードローン会社によっては、優良な顧客をリスト化し、定期的に増枠の案内を行っていることがあります。増枠されると段階的に金利が低くなるため、利便性向上につながるものです。
『給料日に完済できる金額のみ借入する』、『給料日に完済する癖をつけておく』ことを意識しながら利用してみましょう。
銀行系カードローンや信販系カードローンでは、無利息期間を設けていないことがほとんどです。しかし、消費者金融系のカードローンでは、30日間の無利息期間を設けていることがあります。
特に短期間の借入を計画している方、ごくたまにカードローンを利用する方、無利息期間内に完済できる方は、アコムやアイフル、プロミスなどがお勧めです。
基本的に、無利息期間は1度しか利用できませんが、プロミスのように何度も利用出来るケースがあります。
それから、消費者金融系のノーローンでは、月に1回7日間無利息サービスを利用することが可能です。次回の無利息サービスを利用するためには、必ず完済しなければなりませんが、翌月新たに無利息で借り入れることができます。
カードローンの利用を検討する方の多くは、利息負担を軽減するために低金利のカードローンを選びがちです。低金利だと、確かに利息の支払いは少額で済みますが、返済が長期化すると結果的にそれなりの利息額が発生してしまいます。
カードローンの性質上、何度も借入が可能であることから、計画的に利用しないとついつい返済期間が長くなってしまうものです。
そのため、金利の低さばかりを重視するのではなく、借入金額と返済期間を意識しながら、計画的に利用するようにしましょう。