「年金受給者でもカードローンがつくれるか?」という質問を頂くことがあるのですが、結論から申し上げますと「作れます!」となるのですが、なかには、年金を安定した収入と認めていないカードローンもあるため、利用できるカードローンは限られてくるというのが現状です。
【カードローンはパートや派遣、もしくは学生や主婦などの無職でも借りられる?】でもご説明しましたが、平成22年に施行された改正貸金業法により、前年度の年収の1/3以上を消費者金融が、貸し付けることが法的に出来なくなりました。
この法改正により、現在では無職の方で前年度の収入が0の方は、消費者金融から借入ができないことになっています。そのため、退職されて収入が年金だけの場合ですと借入するのは難しくなっているというのが正直なところです。
しかし、カードローン会社によっては、年金は安定した収入と認めているところもあるため、数は限られるのですが、年金収入のみでも貸し付けをしてくれるカードローンは存在しますので、ここで紹介したいと思います。
万が一の時のためにチェックしておいて頂ければと思います。
年金受給者は高齢者でもあり、高齢者になればなるほど、死亡リスクが高まります。したがって、いつまでも返済できるというわけではなく、ある程度返済できる期間が限られてしまいます。
そのため、無担保を基本とするカードローンの場合、申込者の資格として上限年齢を69歳以下などとしているところが多くなっています。これは70歳になったら新規の借り入れはできませんし、
既に契約されている場合でも、追加融資を打ち切られてしまうということです。
一般的に銀行のカードローンは年齢制限を65歳未満にしているところが多く、
消費者金融系のカードローンは69歳未満に設定しているところが多いです。
下記に各社が設定している年齢制限を表にまとめましたので、参考までにご覧になってみてください。
(年齢制限のデータは各カードローン会社のホームページに記載されている内容を抜粋しています。)
カードローン | 実質年率 | 年齢制限 |
---|---|---|
ベルーナノーティス |
4.5%~18.0% |
20歳から78歳までの方 (※安定した収入が必要) |
住信SBIネット銀行 | 1.59%~14.79% |
満20歳以上満65歳以下の方 |
アコム | 3.0%~18.0% |
満20歳から満69歳までの方 |
プロミス | 4.5%~17.8% |
満20歳から満69歳までの方 |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% |
満20歳から満69歳までの方 |
楽天銀行 | 1.9%~14.5% |
満20歳から満60歳までの方 |
上記の表を見て頂くとわかると思いますが、「ベルーナノーティス」は、78歳までの高齢者の方でも申込みすることが可能となります。下記にベルーナノーティスの特徴をまとめましたので、ご覧になってみてください。
金利(実質年率 最低~最高) | 借入限度額 | 審査時間 |
---|---|---|
4.5%~18.0% | 1~300万円 | 最短30分 |
担保・保証人 | 来店 | 即日融資 |
不要 | 不要 | 24時間以内の融資も可能 |
ベルーナノーティスの特徴
・通販でおなじみのベルーナグループが提供するカードローン
・初めて利用する方は14日間無利息で借入可能
・最短30分で審査が完了。最短で即日カード発行が可能(申込みの時間帯によって、翌日以降となる場合あり。)
・借入残高が5万円以内なら返済額が月々2,000円なので、無理なく返済が可能
・セブン銀行、ローソン、E-netのコンビニATM、三菱UFJ銀行、東京スター銀行のATMで利用が可能(利用可能ATM台数は全国5万台以上!)
一般的にカードローンの申込可能年齢は、銀行のほうが低く、貸金業者のほうが高めに設定しています。そうなると、年金受給者が資金調達しようとするなら、消費者金融しかないのかと考えてしまいがちですが、地方銀行には、年齢制限幅が広いローンもありますし、ユニークなローン商品を開発しているところだと、リバースモーゲージ型の高齢者向けのローンを扱っているところもあります。
地銀と呼ぶにはあまりにも有名すぎるスルガ銀行ですが、スルガ銀行には、『リザーブドプラン』という団体信用生命保険付きのカードローンがあります。『リザーブドプラン』は申込年齢の上限が満70歳以下ですが、75歳まで更新できるカードローンとなっています。
つまり、満76歳に達した後、最初に到来する契約期限以降の新規借り入れはできないのですが、銀行のカードローンとしては、非常に柔軟な発想のもとに開発されたローン商品と言えるのではないでしょうか。
また、なかなか日本では根付かないところがありますが、持ち家などの不動産を担保にしてローンが組めるリバースモーゲージ型のローンがあります。リバースモーゲージは、簡単に言うと、所有不動産を根抵当にして利用できる多目的ローンで、利用期間中は返済はせず、契約者が亡くなったときにその不動産の売却によって返済されるという仕組みになっています。
リバースモーゲージは厚生労働省が導入し、都道府県社会福祉協議会が実施している公的なものから、東京スター銀行や中央三井信託銀行などの民間の金融機関が扱っているものもあり、商品の中身もそれぞれに特徴があります。
一定の評価額がつく不動産を所有している方でなければ利用できませんが、リタイア以降の生活の安定を確保する手段として、今後の商品開発に期待したいジャンルのローンと言えるでしょう。ただし、課題となっているのが利用期間が80歳~83歳ぐらいまでというものが多く、いわゆる「長生きリスク」がリバースモーゲージにはつきまといます。
また不動産価格の下落リスクも当然存在します。さらに言うなら、地震の多い日本では災害リスクもあります。しかしこうした金融商品があるということは、現役世代の方でも認識しておくと良いのではないでしょうか。
かつては独立行政法人福祉医療機構が「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」として年金担保ローンを扱っていたのですが、2010年に廃止されています。これは、年金受給者が入院や手術で医療費がかさんだり、冠婚葬祭や住宅のリフォームなどで資金が必要となった場合に利用できる低利のローンで、いわゆる民間のカードローンではありません。
いま年金受給者が、急な資金不足に陥った場合に利用できる公的な融資はなくなってしまいましたので、頼るところは民間の金融機関が扱う年金受給者対応ののローンをさがすしかありません。高齢化社会に適合した、年金受給者向けのローンの開発に期待したいところです。